HWAM(ワム) HWAM(ワム)

ワムは、世界有数の環境先進国として知られるデンマークの薪ストーブ会社です。研究開発から製造、出荷、マスターサービスにいたるまで、一貫してホーニングにある本社工場で実施。建築家やプロダクトデザイナーが手掛けた洗練されたデザインと最新鋭の技術で薪ストーブ業界を牽引します。

HWAMについて

ワムは環境先進国として知られるデンマークの薪ストーブ会社です。本土のユトランド半島で最も大きな都市オーフスからほど近いホーニングに本社と工場があり、そこで最新鋭の技術が開発され、スタイリッシュなデザインの薪ストーブが作り出されています。

ワムが薪ストーブを初めて製造したのは1976年のこと。オイルショックという困難な状況を打開するために、石油に頼らない暖房器具・薪ストーブの製造に取り組んだのがきっかけです。

また、デザインは家具デザイナーであるアナース・C・ファスタホルトに依頼。部屋に馴染むよう家具と同じコンセプトで作られた薪ストーブは、ガラスに映し出される炎のかたちまでもこだわった、これまでにないものとなりました。この時誕生した、初代「ABC ストーブ」は、デザイナーズストーブの先駆けとなり、デンマークデザインを継承し、機能美に優れたスタイルは、現在もすべてのモデルに受け継がれています。

また、「HWAM SmartControl™️」「ワム・オートパイロット」といった新技術を次々に開発し、人間が操作しえない細かい調整を科学の目で見極めて調整するという「インテリジェント・ヒート」を実現しました。現在、全機種がいずれかの機能を搭載。この手軽さ、この快適さ、そしてこの楽しさは、どこにもないワムならではの魅力です。

機能美を追求するHWAMの世界

Anders C.Fasterholdt
アナース.C.ファスタホルト

ワムのデザインは、デンマーク国内外で活躍するデザイナーや建築家によるものです。数々のデザインアワードを受賞する彼らは、20世紀初頭に巨匠たちが築き上げたデンマークの建築や家具のモダンスタイルを継承。ワムの技術者や研究者とのパートナーシップにより、デザインと機能性の調和がとれた素晴らしい薪ストーブが生まれています。

アナース.C.ファスタホルトは「初代ABCストーブ」のほか数多くのデザインを手掛け、ワムの創業時から活躍するデザイナーです。キャビネット、家具デザイナーとして活躍していた彼は、薪ストーブを「暖かさを発する家具の一種」ととらえてデザイン。今やワムのスタンダードになっている、つなぎ目のない滑らかで優しい丸みを帯びたライン、鋼板の溶接部分や表面の美しさなどを造り上げる、高度な仕上げの技術は、彼のデザインコンセプトを元に生まれました。また、彼のモットーは「先ず機能。その後デザインは自然に現れる」。技術機能を検証した上で、その機能を最大限に活かした美しいデザインが施されています。燃焼技術の開発にも貢献し、現在のワムにおけるデザインの基本を造り上げた人物です。

Henrik Sørig Thomsen & Tobias JacobsenJacobsen
ヘンリック・スゥーリ・トマセン &トビアス・ヤコブセン
Christina Strand & Niels Hvass
クリスチーナ ストラン & ニルス ヴァッス
Aarhus Arkitekterne & SMT design
オーフス アーキテクチャー & SMT デザイン

細部にまでこだわりが感じられるデザイン

薪ストーブに使われる素材はたくさんありますが、ワムは鋼板を使用。鋼板は均一で滑らかな表面を持ち、それが均整のとれた素材感となってワムのデザインを引き立てています。また、鋼板は美しいだけでなく、十分な強度があります。鋳物の融点が約1,200℃のところ、ワムの鋼板は約1,600℃とさらに高く、熱衝撃にも強いとされています。

また、ワムの特長的な曲面や、その面と面とをつなぐ曲線など、美しく連続したラインは決して鋭利ではなく、歪みのない優しい表情をしています。一枚の一体成形されたパネルのように見える部品も、三次元的な形状にするために手間のかかる溶接の工程が含まれています。さらに、ハンドルも熱くならないよう梨地加工されています。ワムは仕上がりの美しさにこだわり、一切の妥協を許さず細部まで丁寧に仕上げています。

ガラススクリーンには、ドイツに本社を置くSchott(ショット)社との共同開発でつくり出した、クリアな耐熱ガラスを採用。透明度が高く、表面が滑らかなガラススクリーンが炎の美しさをダイレクトに映し出します。さらに、すべての機種にエアーウォッシュシステムが採用されており、ガラス上部から空気を拭き下ろし、ガラスが常にきれいに保たれるように設計されています。

テクノロジーにおいてワムが目指していること。それは、燃焼効率のアップと美しい炎の実現、そしてユーザーの手間を減らすことです。これらをかなえるために、ワムは燃焼室の設計にこだわり、素材を厳選し、新しい技術を開発。その結果、これまでにないすべてにおいて快適、かつ暖かい「Intelligent heat」を実現しました

HWAM SmartControl™

エアボックス
センサーから送られてきた酸素濃度、温度から一次、二次、三次各空気孔への吸気量を自動で算出

2012年、ワム社は、従来よりももっと操作が簡単で、さらなる薪の消費量と排煙量の削減を実現する HWAM SmartControl™を開発しました。これは、燃焼温度を自動で一定に保つワム・オートパイロットシステムを元に、デンマーク技術大学(DTU)と協力して誕生した、燃焼状態に最適な空気量を自動で調整する、電子制御システムです。

内蔵されたヒートセンサー、酸素センサーが3秒に1度燃焼温度や排気中の酸素濃度を計測し、点火時や薪の追加時などあらゆる燃焼過程においてエアボックスが最適な空気量を自動で調整し、薪を完全燃焼させることができます。操作は、リモコンでお好みの温度を設定し、着火するだけ。あとはワム独自の対流システムが働き、お部屋をまんべんなく暖めます。薪は燃え尽きる前に、補給のタイミングをセンサーが感知してアラーム音で教えてくれるので、火が消えてしまうこともありません。

現在は、さらに進化したスマートフォン(iPhone、アンドロイドいずれも対応)のアプリでの操作が標準となりました。このアイデアと技術は高く評価され、デンマーク国内の優れた工業製品に送られる「Denmark Industry2016 DI Award」でグランプリを獲得しました。

専用アプリ
IHS SmartControl™を使用

誕生の背景

世界有数の環境先進国として知られるデンマークでは、都市部(アパートを含む)で薪ストーブが約50%というとても高い割合で設置されています。けれども、古い薪ストーブや暖炉は、煙突から出る排煙が大気汚染の大きな原因になっているとされ、デンマーク政府は、2016年までに大気状況の大幅な改善を目指し、新しく製造する薪ストーブに厳しい排煙基準を設けています。

そうした背景によりワム社は2012年 HWAM SmartControl™を開発しました。これまで「人」の感覚に頼っていた空気調節は、時に不完全燃焼などのトラブルを起こしていましたが、HWAM SmartControl™という「科学の力」を使うことによって、このような人為的ミスを防ぎ、安心・安全に薪ストーブを使用できるようになりました。

HWAM SmartControl™のメリット

  1. アプリで好みの温度を設定し、着火するだけで、薪ストーブが最適な燃焼状態に。
  2. 薪補給の最適なタイミングをアラーム音でお知らせし、薪の足し忘れを防止。
  3. 排煙量は、ヨーロッパの厳しい排煙基準をクリア。
  4. 従来の薪ストーブに比べ薪の消費量が5割削減。オートパイロットと比べても1割削減。

HWAM Autopilot™

ワム・オートパイロットシステム
バイメタル部品の熱による伸縮で、プライマリエア・セカンダリエアの切り替えを行うシステム。

ワム・オートパイロットは、燃焼温度をストーブ自体が自動で一定に保つシステムです。このシステムの誕生により、ストーブに着火してから温まるまでの間、面倒な空気調整を一切する必要がなくなりました。また、薪の燃焼時間が延び、過燃焼や不完全燃焼といったヒートロスを防いで、燃焼効率もアップ。さらには、薪の消費量や煙突からの排煙も格段に減らすことに成功しました。実際に、薪の消費量は従来性の薪ストーブの最大40%削減。煙も少なくなり、排煙の問題でなかなか導入できなかった市街地でも、心配なく使用できるようになりました。操作は、薪ストーブに火を入れるだけ。あとは自動で最適な燃焼状態を保ち、ワム独自の対流システムによりお部屋を素早く、まんべんなく暖めてくれます。長時間ストーブとにらめっこしている必要がないので、毎日忙しくしている人でも手間をかけずに薪ストーブライフを楽しむことができます。

現在ワム・オートパイロットはワムのほとんどの製品に搭載(一部SmartControl™のみ対応機種もあり)。この使いやすさ、この暖かさはワムのスタンダードになっています。

燃焼の仕組み

燃焼室全体には、高品質で知られる南アフリカ産の天然鉱石から作られたバーミキュライトを原料とした、保温効果の高いスカモレックスという素材を張り巡らせています。これにより、燃焼に最適な温度を維持し、完全燃焼を促進させることができるのです。

さらに、ストーブのフォルムと合わせた美しい炎となるよう、燃焼室をデザイン。そのため、モデルにより燃焼室のデザインは異なっています。本体後部にあるワム オートパイロットが燃焼状態を検知し、自動で一次燃焼空気と二次燃焼空気、そしてエアーウォッシュ空気のバランスを調整し、最適な燃焼をコントロールします。

燃焼空気の流れ

  1. ストーブの背面から取り入れられた一次空気は燃焼室下部から流れ込み、燃焼を促進させます。
  2. 薪燃焼室の後方に設けられた二次空気孔から噴射された空気が、薪から揮発した可燃性ガスを効率良く燃焼させます。このときバッフルに施されたリブ加工が空気の流れを緩やかにするため、バッフルの裏側まで続く長い炎となります。
  3. フロントガラス上部から燃焼室の奥へ向けて流れる空気が、炎のかたちを整え、ガラスへの不純物(ススなど)の付着防止となっています。
  4. 燃焼室上部のスモークプレートとバッフルプレートが、排気の速度と流れを整えながら、クリーンな状態で排気します。
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